2016年8月19日
Movable Typeのサイト構築・運用に役立つプラグイン10選(投稿支援編)
こんにちは、ディレクターの八木です。
猛暑が続きますが、みなさんお元気ですか? 私は先週うっかり涼しい高地にいた反動か、朝の通勤だけで一日分の元気を使い果たす日々です。
さて今日は、アークウェブがMovable TypeでCMS構築をする際、毎度のようにお世話になっている定番プラグインをご紹介します。
MTにはさまざまな機能を追加するプラグインがあります。
中でも運用を助ける系のプラグインは、公開サイト側では見えないので存在は地味ですが、日々のサイト運営を快適・安全・堅実なものにしてくれるので、とても重要だと捉えています。そういうわけで、運用サイドをシアワセにする定番プラグインに絞って紹介します。
投稿支援(効率アップ)
まずは、投稿や更新の効率アップに役立つプラグインです。
DuplicateEntry - 記事の複製・移動
DuplicateEntry
https://plugins.movabletype.jp/authorf6b1b/DuplicateEntry.html
https://github.com/skyarc/mt-plugin-duplicateentry
スカイアークさん製。ウェブページやブログ記事を複製したり、まとめて他のブログに移動・複製したりできます。記事は下書き状態で移動・複製されます。
適当な記事をベースに別の記事を書きたい時に使います。
公開中の記事はそのままに、裏で更新版を用意してある時点で差し替えたい、なんていう時にも使います。
また、「移動」の前後でエントリーIDは変わりませんから、ニュースブログを後から「イベント」ブログと「ニュース」ブログに2分割したいケースで使うこともあります。
一字違いの「DuplicateEntries」や「MT Duplicate」など、他にも類似プラグインがあります。
QuickRebuild - 複数ブログを一括再構築
QuickRebuild
http://tec.toi-planning.net/mt/quickrebuild/
ToI企画さんの、複数のブログを一括再構築できるプラグイン。多ブログ構成のサイト構築時は外せません。このプラグインも類似のプラグインがいくつかあります。アークウェブではずっとQuickRebuildです。シンプルで扱いやすいし、MTクラウド上でも問題なく稼働します。
ListingFieldEditor - 複数記事のカスタムフィールドを一覧画面から更新
ListingFieldEditor
http://www.koikikukan.com/movabletype/plugin/ListingFieldEditor/
カスタムフィールドのデータを一覧画面で編集できます。
「HOMEのTOPICS枠に表示する」チェックボックスを記事に持たせたとします。いちいち個別記事の編集画面を開いてチェックを入れ外しするのは面倒だし見通しが悪いです。全体を見渡しながらどの記事にチェックをいれるか決めたいようなケースでこのプラグインが活躍します。
ただし変更は1行(1記事分)ごとに[保存]クリックが必要。複数記事分を変更して一括[保存]とはできない点が惜しいです。有償で10,000円+税です。
「PowerListingFieldEditorプラグイン」というこれのお兄さん的プラグインがあります。こちらは、カスタムフィールドだけでなくタイトルや本文フィールドも一覧画面から編集可能になります。残念ながらアークウェブではまだ実地で使ったことがありません。こちらも有償で30,000円+税〜。
PowerListingFieldEditor
http://www.koikikukan.com/movabletype/plugin/PowerListingFieldEditor/
投稿支援(ルール遵守, エラー低減など)
同じ投稿支援系の中でも、これを使うと投稿ルールを守ってもらうのに役立ったり、エラーが起きにくくなったりするプラグインたちです。
EnhancedCategory - カテゴリを必須にしたり選択不能にしたり
EnhancedCategory
http://tec.toi-planning.net/mt-column/plugin/enhancedcategory/
これもToI企画さんのプラグインです。 カテゴリを必須項目にしたり、特定のカテゴリを選択できなくするなどの制限がかけられます。
親カテゴリ、子カテゴリの2階層になっていたとして、該当カテゴリを指定する際、その親にまではチェックを入れないでほしいんだよなぁ…(実装者のココロの声)という時があります。マニュアルに注意書きを書いても守られない場合は多いわけで、そんなときこのプラグインに助けてもらいます。
TaggingHelper - タグの入力支援ツール
TaggingHelper
https://github.com/aklaswad/mt-plugin-tagging-helper
MTの「タグ」はテキスト自由入力なため、半角全角の不統一など表記の揺らぎが心配されますね。TaggingHelper を使うと、一度使ったタグが一覧されてクリックで入力できます。
なお本プラグインはMT4.2時代あたりから更新が止まっています。Googleで調べると出た当時の古いソースにリンクされている文献が多いですが、(たぶん)GitHub上の上記ソースが最終版です(v0.4)。
※GitHub上にあるバージョンでも, 最近のMT6では環境によってうまく動かないケースがあるようです。アークウェブでは一部改修させてもらって使っています。
UploadDir - 画像やアイテムのアップロード先を指定できる
UploadDir
http://labs.m-logic.jp/cat2/uploaddir/
これまた古くからあるプラグインです。
PDFファイルなら ディレクトリ[pdf]へ、画像は [images]ディレクトリへアップしたい、といったような使い方ができます。
MT6.2で、アイテムのアップロード先初期値指定や日本語ファイル名の自動変換サポートなどMT本体に待望の機能が搭載され、存在意義はやや低くなった感もありますが、今なお拡張子とディレクトリ名の関連付けができる点で必須プラグインの一つです。エムロジックさんによるメンテナンス状況もよいです。
入力フィールドの順番を固定化するプラグイン2点「EntryPrefsFixer」「FixEntryPreference」
2つ紹介します。どちらも入力フィールドの順番を固定化する目的のものです。
EntryPrefsFixer
http://junnama.alfasado.net/online/2010/05/movabletype9.html
FixEntryPreference
https://plugins.movabletype.jp/author88366/fixentrypreference.html
https://github.com/allianceport/FixEntryPreference
商用MTでの利用時は有料
Junnamaさん開発の EntryPrefsFixer はエントリの表示オプションの状態を、全ユーザ管理者さんの設定と同じにしましょう、という思想です。対するアライアンスポートさんの FixEntryPreference は、管理者とそれ以外のユーザでそれぞれ設定し分けられます。
ちなみにアークウェブではEntryPrefsFixerの方を、ほぼ全案件で使わせてもらっています。
フィールドの並びを管理者と同じ設定に固定化する、それだけの機能なんですが、ユーザに自由がない分、投稿マニュアルを書くのが断然楽です。納品後にお客様から "入力欄の並びがマニュアル通りじゃない"と言われることがなくなりました。
投稿支援(投稿画面のUI改善)
投稿画面のUIを改善して、直感的な入力を可能にする系のプラグインです。うまく使うとマニュアルレスな管理画面が実現できます。
MTAppjQuery
MTAppjQuery
http://www.bit-part.net/products/mtappjquery/
有償プラグイン。有償化と同時に相応の機能アップが図られ、管理画面のUIを使いやすくするのに今やなくてはならない存在に(大絶賛)。
何ができるかは、本家サイトの紹介を眺めれば一目瞭然でしょう。 ここ1、2年でさらにいい感じに大進化してますので「昔使ったことあるよ」って人は久しぶりにチェックしてみてください。
ドキュメントがしっかりしており、JavaScript苦手な私でも見よう見まねで設定できる点もマルです。有償、10,000円+税。
カスタムフィールドの入力UI改善系プラグインは、他にもよさげなものがいくつかあります。次の2点はまだ実際の案件で使ったことはないのですが、とても魅力的です。いずれもMT界の大御所な方たちによる逸品です。
FreeLayoutCustomField
http://www.h-fj.com/blog/archives/2015/02/09-105843.php
1つのカスタムフィールドに、画像とそのキャプションのセットなどの複数の入力欄(フィールド)を入れることができる
SheetAsset for MovableType
https://www.ideamans.com/mt/sheetasset/
CSVやExcel形式のファイルをアップすると表形式のコンテンツデータとして扱えるプラグイン
MTAppjQueryのMTAppJSONTable(表形式で直感的に扱える入力欄を生成)やFreeLayoutCustomFieldなどのプラグイン機能を使えば、投稿がわかりやすくマニュアルレスで、誰でも間違いなく入力できるようになります。 しかし、次に述べるCSV一括投稿系の投稿・更新手段を使う予定がある場合は、あえて素のカスタムフィールドだけで済ませる場合があります。
これらのプラグインで入力欄をつくった場合、そのデータはJSONやハッシュの形で保存されるため、Excelなどで加工して一括投稿したい時に、データが扱いにくくなってしまうからです。悩ましいところではありますが、大量の投稿が必要だったり、運用フェーズで頻繁なCSVによる出し入れ(記事のImport/Export)が予想される場合は、CSVでの扱いやすさを優先させています。
投稿支援(大量投稿, 記事一括更新)
CSVDataImExporter - CSV記事一括投稿ツール
CSVDataImExporter
http://www.koikikukan.com/movabletype/plugin/CSVDataImExporter/
記事のCSV一括投稿プラグインも無料・有料あわせて各種存在します。 ここでご紹介するのは小粋空間さんの作。 カテゴリを新規追加しつつ指定したり、画像アイテムを登録し、さらにその画像をカスタムフィールドに関連付けしたりといった高度な処理がこれ1本でできる優れものです。有償ですが大量投稿を手作業ですることを考えたらお安いもんだと思います。10,000円+税〜
オマケ: たいていの案件で無効化しちゃうMTデフォルトのプラグインたち
次のプラグインはMTインストール後に速攻で無効化してしまうプラグインたちです。
- FacebookCommenters
- feeds-app-lite/mt-feeds.pl
- Loupe/Loupe.pl
- mixiComment/mixiComment.pl
- StyleCatcher
- Textile/textile2.pl
- WXRImporter
- WidgetManager/WidgetManager.pl
- spamlookup(3つ)
こうして整理してみると、古くからある定番品が多いです。
昔からMTに欲しかった機能で、かつ今も備わってない機能、そういったものを補完してくれるプラグインたちですね。開発者さんに感謝です。
いかがでしたか?
次回は、ワークフローや、バージョン管理などに便利なプラグインについてご紹介したいと思います。
カテゴリー: CMS(コンテンツマネジメント・システム) , CMS・MovableType
タグ: プラグイン , CMS , Movable Type
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