2007年10月26日
Movable Typeでビジネスサイト構築:運用に負担のかからないSEO設計
CMS(コンテンツマネジメント・システム) SEO・サーチエンジン最適化
こんにちは、ディレクターの八木です。
CMSでサイトを構築する場合、コンテンツの投稿・管理は運営者自身で行うのが一般的です。特にビジネスサイトの場合、CMS導入目的はそこにあったりするので当然かもしれませんけど、その点を踏まえると、従来の全コンテンツをWeb制作者が作り込んでいた時代とはSEOの実施方法も違ってきたように思います。
作る側の意識としては、ブログ設計段階で"運営をデザインする"視点を持って
・SEOの基本線の自動化
運用段階で余分な手間をかけなくても一定レベルのSEO施策が担保される構造であること。
・手動でコントロール可能なつくり
コンテンツの重要度に応じて、投稿者自身が手動でコントロールできるようになっていること。
それはHTMLやMTタグ等の知識を要しないシンプルな方法であること。
の2つの要素を、バランスよく実現することがポイントだと考えています。
以下、各要素についてチェックポイントをまとめてみました。
== SEOの基本線はテンプレートや初期設定で自動化しておく ==
基本的な項目はテンプレートや初期設定側で吸収して、投稿者が注意を払うべきは投稿内容の部分──つまり見だし・小見出しを適切に挟むことや、見出しや本文の内容そのもの──だけで良い構造にしておきます。
■内部要因に属する最適化
・タイトルが<h1><h2>などの高レベルの見出しタグで囲まれるようにする等のマークアップの基本構造
・ページ間のリンク構造
・投稿ルール(見出し・小見出しを適切に挟むことや、見出しや本文の内容そのもののワーディング指針)の策定
■外部要因に属する最適化
・デフォルトのトラックバック先の設定
・sitemaps.xml生成用テンプレートを用意しクロールされるよう登録する。
サイトマップについて補足しておくと、
Google, Yahoo!, MSNなどの主要検索エンジンはSitemap 0.90の規格に対応しているので、Sitemap 0.90形式でコンテンツURL一覧を生成するテンプレートを1本用意します。
Movable Type 4なら、例えばGoogle Sitemap Template for MT4などをそのまま使うか、これを下地にすれば、コンテンツの優先度レベルや更新頻度つきでサイトマップが生成されます。
:sitemaps.org :: Sitemap 0.90 プロトコル
http://www.sitemaps.org/ja/protocol.php
:Google Sitemap Template for MT4 (MT Hacks)
http://mt-hacks.com/20070904-google-sitemap-template-for-mt4.html
Sitemap 0.90フォーマットでページ一覧を生成するMT4用のテンプレート
生成したサイトマップはrobots.txtに以下のように記述することでクロールされますが、念のために
Google ウェブマスターツール や Yahoo Site Explorerなどから明示的にサイトマップのURLを登録すると盤石です。
Sitemap: <sitemap_location>
== コンテンツの重要度に応じてSEOを手動でコントロール可能なつくりにする ==
SEO上の重み付けは同等の階層(ページ同士、カテゴリ同士)でも異なる点も考慮して、テンプレート設計段階で重み付けを自動化できる部分は吸収し、かつ投稿者自身が実施しやすい構造にします。
例えば
部分の要素については、以下のような考え方で設計します。コンテンツをテンプレートベースで見ると
メイン(サイトTOP)、カテゴリ(とか年別とかコンテンツ・グループのTOP)、個別ページ(ウェブページ、ブログ記事)の大きく3階層あり、一方、<head>内の主要なSEO要素としてtitle要素, META(description とkeywords)要素の3つあるので、階層×ヘッダ要素のマトリックス(3x3の9種類)のそれぞれについて何を出力すべきか決めていきます。
出力内容は、あらかじめ固定の要素(サイト名, カテゴリ名, その他固定文等)と、投稿者がコントロール可能な入力要素を組み合わせます。
コントロール可能な入力要素とは、例えばblog説明, 各カテゴリの説明, ブログ記事の概要、ブログ記事のキーワードなどを使うことが多いです。管理サイトから簡単に内容更新できることと、ユーザのロール設定で適切な権限制御可能な点がポイントになります。
企業サイトのCMSとして利用する時は、カテゴリがあらかじめ固定的で、かつ特定のカテゴリの重要度が高い場合などがあるので、そうした重み付けはテンプレート側で吸収しておきます。
実装イメージとしては、
例えば「ヘッダー」テンプレートで、
<MTIf name="main_index">
<meta name="description" content="<$MTBlogDescription$> 固定文" />
<MTElse>
<meta name="description" content="<$MTGetVar name="page_meta_dscription"$>" />
</MTIf>
のように書いておいて、これを呼び出す側で
<MTSetVarBlock name="page_meta_dscription"><$MTCategoryLabel$> <$MTBlogDescription remove_html="1"$> <$MTCategoryDescription remove_html="1"$></MTSetVarBlock>
:「ブログ記事リスト(カテゴリアーカイブ等を生成)」テンプレート
とか、
<MTSetVarBlock name="page_meta_dscription"><$MTEntryExcerpt$> <$MTCategoryDescription remove_html="1"$></MTSetVarBlock> :「ブログ記事」テンプレート
のようにそれぞれの内容をセットします。見ての通りこれ自体はごく普通の実装です。
並行して、運営ルールで、サイト全体で含めたいビックキーワードは[ブログの説明]欄に、カテゴリ配下共通で含めたい文言は[カテゴリの説明]欄に、特定のページに含めたい内容は[ブログ記事の概要]欄に入力する、などのように決めておきます。
こうしておくことで、SEO上の優先度に応じて[カテゴリの説明][概要]等をチューニングすれば反映されますし、優先度の低いページやカテゴリなら入力を省略してもそれなりのMETA要素が埋め込まれるというわけです。
以上、お役に立てば幸いです。
アークウェブはMovable Type 4による企業サイト構築も得意です( シックスアパートのProNet会員です )ので、ぜひご相談ください。
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