2006年4月21日
最近のバイラルキャンペーン ベスト12 (Viral Marketing Hall of Fame 2006)
ディレクターの安藤です。
MarketingSherpa.comが、2006年のバイラルキャンペーンベスト12( Viral Marketing Hall of Fame 2006 )というのを選んでいました。
MarketingSherpa's Viral Marketing Hall of Fame 2006: Top 12 Campaigns You Should Swipe Ideas From
http://www.marketingsherpa.com/barrier.cfm?currentID=3225
2006年を締めくくってしまうのはまだ早いと思うのですが、100のキャンペーンの中から選ばれたという良質なバイラルキャンペーン12のうち、さらに一部を紹介します。アイディアをパクるのではなく、アプローチに学ぶというのはおおいにアリだと思いますので。
今回の選考基準は予算が$1000クラス、もしくは自社で作成したもの、という特徴があるようです。バイラルキャンペーンは予算ではなく発想によるレバレッジの勝負なのだ、ということを示す好例と言えそうですね。
Peerflix.com - PeerflixGame
手持ちのDVDのトレードサービスを提供しているPeerflix社のバイラルゲームPeerflixGame
あなたはパパラッチとなって、様々な有名人の決定的瞬間を写真に収めないといけません。フィルムは12枚、写真の質によって買い取り価格が変わります。
本気になりすぎない程度に楽しめるバランスが、このゲームのクオリティを引き立てていると思います。
ゲーム自体面白いですが、実際にPeerflix社のサービスとも関係してくるテーマを選んだのはスマートですね。
Beer.com's Virtual Bartender
Beer.comというM2、M3層をターゲットにしたポータルサイトでは(Burger KingのSubservient Chickenと同じギミックですが)、Beer.com's Virtual Bartenderというゲームを提供しています。HOOTERSの店員のような陽気なお姉ちゃんに命令を出すことができるものです。あまりダーティな言葉を入れると、Flash自体が止まるようになってますね。
他にもちょっとエッチ路線のジョークゲームを置いてあります。どれも悪ふざけという感じで親しみがもてます。
ポータルサイトなどでは、このようにユーザーを楽しませ滞在時間を引き延ばすこともなかなか効果的なのではないでしょうか。
New rules of PR
David Meerman Scottというライター/コンサルタントがまとめたPDFファイルです。
PR 2.0とまではいきませんが、昔のプレスリリースと現在行うべきのプレスリリースの方法を比較しながらまとめていて、非常に的を射た資料になっていると思います。
Wadsworth Atheneum Surrealist Exhibit
美術館の広報活動の一環として、ダリやピカソのようなシュールレアリズム風のアートを作れるFlashを提供しています。自分用に印刷できるだけではなく、他人の作品もギャラリーから見ることが出来ます。
このコンテンツでは、実際に来場数増加の効果も高かったようです。
QUANTUM IT Challenge
QUANTUM IT ChallengeというコンテンツはITマネージャー向けのスキルチェックシート。ですが、スターウォーズやマトリックスのトリビアを混ぜるなど、なかなか面白い設問で、時間と正解率であなたのランクを出してくれます。
IDが必要になりますが、MarketingSherpaで取得したID "66ZBX0DML192"を使って試すことができます。
MakeMyTrip India Viral Series
低価格戦略を取るエアラインのプロモーションコンテンツです。
就航都市の関係から、インドの文化事情に合わせたコンテンツを作成したのが功を奏し、多くのユニークユーザーを獲得したそうです。世界中にターゲットがいる環境だからといってグローバルに通用するコンテンツを作るだけでなく、地域にあわせた分母の小さなターゲットでも効果を上げることができるということでしょう。
Blog In Space
アメリカのネットマーケティング企業MindComet社のサービスにBlogInSpaceがあります。
自分の書いたブログエントリーを、電脳世界だけでなく宇宙に飛ばそう、エイリアンだってブログが大好きだ! というおバカなサービス。自社の事業として本気でやっているようですが、この事業自体がこの企業のユニークネスとして噂になれば成功と言えるでしょうね。
Monkee Mail
友達にグリーティングカードを送るという古典的なバイラルですが、このeカードサービスは、何度ものわずらわしい入力と煩雑な画面遷移を経ることなく、一画面で完結します。
ユーザーが望むアクションを完了させるための障壁を限りなく低く設定し、成功している好例といえます。
MySBC eBill Service
オンラインの決済システムサービスを提供しているMySBCは、ペーパーレスの自社サービスオプションを申し込んだ人が一本ずつ植樹をすることができるキャンペーンを行っています。
MySBC eBill Serviceで自分の番号を入力すると、実際に植樹され、このページで確認することができます。バイラルマーケティングは必ずしも奇をてらったコンテンツでなければいけないわけではなく、またCSRとバイラルコンテンツを組み合わせることの可能性についても気づかせてくれるスマートな事例ではないでしょうか。
morsekode.com | SAP
ドイツのERP企業SAPは自社の素晴らしさを称えるRapを作ってしまいました。
このバイラルのターゲットは自社の社員だそうで。とはいえかなり完成度は高いです。歌詞も自社愛を惹起させるような素晴らしい歌詞(おっと、歌詞ではなくライムですねw)。
そういえばバイラルゲームでGoogleのサービスをベースに作る事例がちらほら見られるようになりました。いくつかフォローしておきます。
ADIDAS "FOOTBALL LIKE YOU HAVE NEVER SEEN BEFORE"
10人の敵をクイズを正解することで抜き去りゴールを決めるというゲーム。
Google Earthを利用して、Google Earthの示した国ごとに回答が異なるため、3択といえども難関です。
移動するアングルも動きもK-1グランプリのオープニングCGを見ているみたいでカッコイイです。世界中のトップサッカー選手がドイツに集結するイメージが膨らみます。
「JA」を押せば自動的に立ち上がると思いますが、立ち上がらない場合は中央の赤いエリア(START)を押してください。
架空のロックバンドの世界ツアーで、ラジオから流れてくる音を頼りに現在プレイしている会場を探し当てるというもの。数字と拡大縮小をうまく使って探します。
個人的には、自社の事業にあまり脈絡がない、または強引さが感じられるバイラル広告より、スマートに自社の事業ドメインと繋がっているキャンペーンが好きですね。今後も面白いものがあれば紹介していきます。
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