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Jakob Nielsen's Alertbox:ブログのユーザビリティ:デザインの誤りトップ10

2005年10月18日

Jakob Nielsen's Alertbox:ブログのユーザビリティ:デザインの誤りトップ10

投稿者 八木

ディレクターの八木です。

ウェブのユーザビリティの第一人者Jakob Nielsen(ヤコブ・ニールセン)博士が、自ら運営するサイトuseit.comに連載中のコラム「Alertbox」の10/17付け記事にて、ブログで犯しやすいユーザビリティ上のチェックポイント10項目があげられていました。

Jakob Nielsen's Alertbox
Weblog Usability:The Top Ten Design Mistakes(October 17, 2005)

http://www.useit.com/alertbox/980111.html

以下、ポイントを意訳しつつご紹介します。

ニールセン氏はブログの特長として

・サイト維持におけるデザインやコーディング作業からの解放
・投稿のしきいの低さ-ブログは出典元へのリンクとそれに対するコメントをベースにしており、
 長大な論文を一から書き起こす必要はないことからくる
・良い記事は他のブログで言及(リンク)されることにより爆発的に広まる。
 Blogosphere(ブロゴスフィア)と呼ばれる一種の生態系をなす。

の3つの利点をあげつつ、

ブログは重要なユーザビリティ項目を無視して内向的になるきらいがあり、
新しい読者にとって書き手に対する信頼とサイトについての理解を困難にする場合がある。
もしあなたのブログが単なる個人日記ではなく、広く誰か読んで貰いたいと思うなら、ブログ特有のユーザビリティに関する以下の10項目について検証すべきであると指摘しています。

1. No Author Biographies:
 "about me"(著者プロフィール)ページを掲載すべし

匿名記事では読者の信頼を得られない。記事への信頼を得るには、誰が(どんな人物が)書いているかを伝えることが重要。といっても公式な肩書きの有無が問題なのではない。

2. No Author Photo:
 著者の写真を掲載すべし

読者は著者が実在の人物だとわかり、あなたの記事への信頼が増す。
しかも名前だけの場合よりも遙かに印象に残る。

 ※プロのライターでプレスに取り上げられることを想定するなら、
  プレス向けのダウンロード用高画質写真を用意しておくべき。

3. Nondescript Posting Titles:
 記事のタイトルは最重要

見出しを読むことによって、記事の要点がわかるように書くこと。
重要な単語ほど前に書かなくてはいけない。ユーザは見出し冒頭の3,4単語で読む読まないを
決める傾向にある。

4. Links Don't Say Where They Go:
 このリンクはどこにジャンプするの?

アンカーテキスト自体か、リンクのすぐ近くにジャンプ先やジャンプ先の内容が予測できるように書くべし。適宜、 title属性(アンカー要素に対しtitle="リンク先に関する補助情報"をつける)を使って適切な内容を伝えるべし。「詳しくはこちら」式のリンクや、内輪にしか理解できないアンカーテキストはNG。

5. Classic Hits are Buried:
 プライオリティの高い記事が埋没しないようにすべし

全ての読者がブログ設立当初からの読者ではない。新しく来訪した読者に「最初に読んで欲しい」プライオリティの高い記事へは、適切なナビゲーションを用意しておくこと。時間と共に埋没してしまわぬようにすること。

6. The Calendar is the Only Navigation:
 カテゴリを活用すべし

カレンダーを唯一のナビゲーションにせず、カテゴリのしくみを活用すること。記事にどのカテゴリを割り当てるかに注意し、あるカテゴリを選ぶとそのテーマに関する厳選された記事リストが得られるようにすること。カテゴリ数は多すぎても使いづらく、10~20程度が適切。

各カテゴリのメインページには、配下の新着記事と、高プライオリティの記事へのリンクを掲載しなさい。

7. Irregular Publishing Frequency:
 定期的な更新を心がけること

あまりにも長期間更新しないと読者が離れてしまう。
ネタがつきた時用に予備のネタを準備しておくとよい。

8. Mixing Topics:
 テーマを絞ること

一つのブログにいろいろなテーマを混在させない。
言及したい複数のテーマがあるならば、別にもう一つブログを立てるべき。

9. Forgetting That You Write for Your Future Boss:
 その記事を投稿しても大丈夫?

一旦投稿した記事は、Google等のサービスによりなんらかの形でWeb上にキャッシュが残り、将来に渡って閲覧され得る。記事の内容次第では、将来の雇い主が目にし、あなたに不利に働くかもしれない。投稿前にもう一度内容を精査すること。

10. Having a Domain Name Owned by a Weblog Service:
  独自ドメインを取るべし

blogspot.com,やtypepad.comなどの無料のサービスを利用したブログは、読者から、@aol.comのEメールアカウントやGeocitiesでWebサイトを持つのと同程度の初心者ブロガーとしてしか見られないだろう。記事に無関係なバナーや広告など自分で制御できない要素が表示されることもある。

独自ドメインで運営するコストは微々だるものであり、真剣にブログを始める気なら独自ドメインに移行すべきだ。無料サービスでの利用が長引けば長引くほど移行コストは増大する。


以上、いかがでしょうか?

ブログは従来のWebサイト以上に、人(書き手)や個々の記事にフォーカスされます。ニールセン博士の指摘から、読者の存在をより意識した「読まれるブログ」のヒントが得られれば幸いです。

投稿者 八木 : 2005年10月18日 15:34

カテゴリー: Webユーザビリティ

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