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RSS/Podcastingを併用した広告キャンペーンの効果は?

2005年6月21日

RSS/Podcastingを併用した広告キャンペーンの効果は?

投稿者 安藤

ディレクターの安藤です。

RSSの利用方法の1つとして、RSSリーダーの広告配信媒体としての利用に非常に注目が集まっていますが、日本でもこのようなニュースが発表されました。

リクルートとCCIがRSS広告に進出--RSS広告社と資本・業務提携
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20084554,00.htm

リクルートやCCIと資本提携ということで、ますますRSS広告が認知されていきやすくなることが予想できます。

でははたして、今RSSを利用した広告がどれくらいの効果があるのか、米国Citrix Systemsの例がMarketingSherpaに掲載されていたので、サマリーをまとめがてらご紹介したいと思います。

GoToMeeting Tests RSS & Podcasting Advertising Campaign: Lessons Learned
http://www.marketingsherpa.com/sample.cfm?contentID=3010

-ほとんどの広告主が未だにRSS広告から距離を置いている理由は、ターゲットへのリーチの問題が大きい。しかし、GoogleやUSATodayなど大手企業が次々とこの技術への取り組みをしているところを見ると、2006年には大した問題ではなくなるはずだ。

-このキャンペーンは、2005年3月に行われた。
-誘導先はgotomeeting.com
-ターゲットの選定は他のキャンペーンと同様に、もちろん重要。今回は技術分野でのアーリーアダプターに位置する中小企業の経営者を対象にした。
-RSS広告は基本的にはCPC(Cost Per Click)による課金方法になるが、理由としては広告を受容できるRSSfeedは数に限りがあり、またRSSの発信は1人当たり1日に1回、もしくは1週間に1度程度だろう。

-長いテキストと画像を作成しても、現在の状況ではRSS Feed Readerのユーザー全てが正しく受信できるわけではない。またアーリーアダプターはあからさまなコマーシャルに対しては非常に強い嫌悪感を持っている。
-上記の状況を踏まえ、今回の広告は、他のメディアでのパフォーマンスを元に、40~50文字程度のテキストとリンクのついた見出しで構成された。
またRSSの配信状況を鑑み、パーソナルな響きのある内容の広告にするように留意した。
-Tech Guruとして有名なChris Pirilloによって作られたFeedの例はこれ。
-RSS Feedには本文が全て掲載されている場合とサマリのみの場合があるが、後者の場合を考え、広告のサマリを表示し、続きをサイトで読ませるようにした。

-過去9ヶ月間で、多くのブロガーが Podcastingをスタートさせている。そこで、今回のキャンペーンではより統合されたキャンペーンを行うために、Chris PrilloのPodcastingをスポンサードすることにしました。約8000人のリスナーがいて、その何百倍もの人がアーカイブを聴いている。放送4回分のスポンサードで費用は10000ドル。

-Blogと同様、PodcastingはDIY精神に溢れたパーソナル性の強いもの。宣伝臭く聞こえるような広告はうまくいくいかないと考えた。
スポンサーのGotoMeetingは、リスナー向けにテストアカウントを作り、Chrisにそのことについてコメントしてもらうようにした。リスナー向けに特別なページを用意し、通常の倍の期間、試用ができるようにした。

-キャンペーンが進むにつれて、CPM、CPCなどの異なる基準の課金方法は、1つの評価方法で比較できることがわかった。CPA(Cost Per Acquisition:テストを行ってみた人数の集計ではなく、実際に購買行動に至った人数の集計)。これで、他のメディアと対等の条件で広告効果の違いを評価することができた。

-結果は非常に素晴らしいものだった。素晴らしい潜在顧客がいて、非常に良い反応を得られる非常に有望なチャンネルであることがわかった。Podcastingのスポンサーの結果も非常に良好。残念ながら具体的な数値は明らかにされていないが。

-唯一の問題点は、現在、RSSの利用者が少ないこと。急増中といえど、まだ大規模なキャンペーンを打つ規模には達していない。大きさを測ることはできても、いくら使えば同じCPAを得られるのか現在ではわからない。

-このことは、ニッチ層からメインストリーム層にターゲットに変えた際に固有のリスクがあることを表していいる。ターゲット数が大きくなればなるほど、アーリーアダプター相手の時より多様な反応が起きることが考えられ、また一度メインストリームに落ち着くと、エバンジェリスティックなキャンペーンを打つ機会を失う。

-MarketingShepaからのアドバイス:ニッチなアーリーアダプター相手にリーチしたいのならRSS、ブログとPodcastingを利用した広告を今すぐ始めるべきだ。そうでないなら、来年の夏まで待てばよい。

---

読み終えてみると、RSS広告の成果そのものよりも、RSS/Blog/Podcastingといった新しいメディア/メタデータを利用したキャンペーンが、いかに広告臭さを消し、“個人的にとっての臨場感”を出すことに留意すべきかが重要だ、という点が心に残ります。

今後のWebプロモーションは、媒体選びもさることながら、誘引のストーリーをいかに作り出すか、いかに人々に受け入れられるシナリオを描けるかという、プロモーションシナリオのプロデュース力とでも呼ぶべきスキルがますます重要になってくるということなのでしょう。

投稿者 安藤 : 2005年6月21日 09:15

カテゴリー: Webマーケティング

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