NGO、NPOなどノンプロフィット団体のウェブ活用やソーシャルメディアへの取り組みに役立つ記事は、英語圏で沢山見つかります。ぼく(中野)が情報収集している中から、特に参考になるものをピックアップして紹介。
今回は2014年4月分です(公開は6月初めですが…)。
(gif画像はimgur.comから。NPOの定期寄付者は、日々欠かせない筋トレのように体力=財力を高めてくれます)
一回限りの寄付者よりも定期寄付者・月次寄付会員を増やすことが重要だ という認識は、日本のNGO/NPOの中でも広まってきていますね。実際に大手NPOなどは「月次寄付」を一番目立つCTRにしているケースが多いです。
一方、定期寄付者のケアは入念に行う必要がありますよね。この記事も「 初めての寄付者の扱いに失敗するとその人はただ去っていくだけ。しかし関心や忠誠心が高い定期寄付者との関係に失敗すると、結果はもっと悪く、“怒りの寄付者”を生み出してしまう 」と指摘しています。
ある団体への定期寄付をやめたという筆者の友人の告白が紹介されています。
定期寄付者を集める仕組みづくりが大切なことはもちろんですが、コミュニケーションの量・質、タイミングが重要、そして 定期寄付者への気づかいは「皿回し(spinning plates)」のようなもの (この表現はちょっと語弊がありそうですが)、と結ばれています。
要約すると。 人間はストーリーを好み、無意味な事象にも意味やストーリーを見出そうとする (脳の「ウェルニッケ野」の働き)。 そして実際にストーリーに接すると、実際に体験をしている際に使われる脳の部分も動き出し、その中にいるかのような感覚を味わうことがある。 そして ストーリーに影響されて考えが変わったり、新たなアイディアが生まれたりする。つまり優れたストーリーは、接した人の考えや振る舞いを変えることもできる。 だからストーリーは強力なマーケティングツールになり得る、といったことのようです。
コンテンツ・シンジケーション という考え方があります。NPOが分析・意見記事をメディアサイトに配信して露出を高めたり、NPO側もゲストブログを設けて専門家などに寄稿してもらい、コンテンツ強化を図るといったメリットがあります。 しかしSEOの面では懸念もあり、やりすぎると「重複コンテンツ」と見なされる、シンジケート先のサイトの方が検索上位に表示されてしまうなどのリスクがあるようです。
最後のオマケ。「色は人の購買行動にどう影響するか?」というインフォグラフィックです。発表は2010年ですが、最近もよく引用されているので掲載しておきます。
色は特定のイメージを想起させますね。このインフォグラフィックでは、オレンジは攻撃的な色、パープルはアンチエイジング商品に向く、など(北米のユーザーの例。国や文化によって変わるはず)。面白いのは、顧客の性向(衝動買いか予算重視か、など)や商品タイプ(ファストフードか衣料品か、など)によってキーカラーは変わるという指摘。寄付戦略などを考える際のヒントにどうぞ。