読み手をサポーターに変えるコンテンツ5つの切り口/あの団体に学ぶストーリーテリングのコツ/ツールより前向き姿勢(NGO・NPOに役立つ記事 2014年2月版)

NGO、NPO、公益法人などノンプロフィット組織のウェブサイト活用やソーシャルメディアへの取り組みに役立つ記事は、それらの活動が盛んな英語圏で多数見つけることができます。定期的に情報収集している中から特に参考になるものをピックアップして紹介します。
今回は2014年2月分です(…公開は3月末ですが)。

●サポーター予備軍に響くコンテンツの5つの切り口(おすすめ度:5)

現在の支持者や将来支持者になってくれるかもしれない人にあなたの団体の価値を訴えるコンテンツをつくることは、当然ながらとても重要です。この記事では、その狙いに沿ってコンテンツの有効性を高める4つの切り口を紹介しています。

1. 好奇心をもっている段階のユーザーの「なぜ?」に答えるコンテンツ

ノンプロフィット団体Charity: waterでは、"Why Water?"(どうして水が重要なの?)というページを用意し、3分強のビデオや数々のデータを提示しています。

2. あなたの団体だけでなく「協力者・関係者がやったこと」を強調するコンテンツ

団体が成し遂げたことを誇るだけでなく、事業のパートナー、支援を受けた家族や個人、そして ファンドレイジングをがんばった支援者たち を紹介し称揚することも重要だ、と指摘しています。

3. あなたの団体への「信頼」を高めることができるコンテンツ

事業に取り組む理念はもちろん、個々の事業、行っている地域、写真付きのフィールド報告など。

4. 支持者が「支援を受ける人をより身近に感じる」ことができるコンテンツ

支持者が活動の価値を理解するだけでなく 被支援者と“個人的に”つながっていると“感情的に”受け止めることができるコンテンツ が重要です。

●“Arctic 30”キャンペーンに学ぶストーリーテリングのコツ(おすすめ度:4)

Greenpeace(英国)のキャンペーン担当者が、"Arctic 30"(ロシアの北極開発への抗議活動を行って収監された活動家たち)の釈放を求める取り組みを踏まえて語る「ストーリーテリング」の要諦。いくつかピックアップします。

  1. ストーリーに「次にはどんなことが起こる?」と ハラハラするような緊迫感
  2. ストーリーに人間味を(収監されたのは“団体構成員”ではなく 家族もいて感情もある人間一人ひとり だ )
  3. マルチメディア(画像や映像)を効果的に使え( ビデオは新たな関心層を惹きつけるのに特に効果的
  4. 英雄と悪党といった物語類型を用いて、 支持者に英雄の役割を果たすことを促せ
  5. ことが落ち着くのを待たずリアルタイムに伝える。しかし次の展開を予測し、備えておく
  6. 支持者や対立者からの反響をよく見ながら、ストーリーを発展させていく

●女性の権利獲得のための活動者向けツールサイト(おすすめ度:3)

最後は特定の記事でなくウェブサイトの紹介です。
女性の権利獲得のための活動者向けのさまざまな情報を集めたサイト。ネパール、エジプト、バングラデシュ、ケニア、インドの団体と協力して制作したとあります。

基本(ターゲットは誰か、どのようにメッセージをつくるか、効果的なネットワークをつくるには…)、戦略(印刷物、ソーシャルメディア、ストーリーテリンク…)、ジャンル別のケーススタディーなどがあります。 Tools(ツール)はどんなものかと見てみると、写真撮影術、Ushahidi(マッピングサービス)の使い方、NGO向けCRMツール…と粒度はいろいろ、混沌としている印象です。

が、英語圏でときどき見かけるこういう“中間型ノウハウ提供組織/サイト”を見て感じるのは、 世の中を変えていくためには使えるツールをどんどん使いこなしていこう という前向きさです。まずはこの“姿勢”に学ぶべきではないか? と思うのです。

以上、ご参考になれば。