ある日、楽天市場のショップでお米を買い、ついでにショップのメールマガジンの購読をしておきました。すると、毎日お米の安売り情報が届きます。お米は一度買えば当分先まで買う必要はないもの。毎日情報が届くのは邪魔でしかありません。メルマガは数日で解除しました。
一方で、過去に買った商品から好みの新着商品をお勧めする内容のメールや、しばらくショップを訪れていないと届くクーポン付きのメッセージなど、ユーザーの気持ちを察するかのようなニュースレターも届きはじめています(主に英語圏のショップからですが)。
(写真は「マジシャン・キャット」。コンテンツもこんな風に変幻自在でありたい。 via cheezburger.com )
コンテンツマーケティングの世界で、ダイナミックコンテンツ(Dynamic Content)、スマートコンテンツ(Smart Content)という言葉を見かける機会が増えてきました。「適切なコンテンツを、適切な人に、適切なタイミングで届ける(right content to the right person at the right time)」ための考え方や技術のことを指すようです。
ウェブではずっと以前から、Amazonのレコメンデーションエンジン(「この商品を買った人はこんな商品も買っています」という商品おすすめ機能)に象徴されるようなコンテンツの最適化手法はありました。
その考え方がコンテンツマーケティングの世界でも、「ダイナミック」「スマート」というキーワードで再び見直されてきているようなので、ちょっとおさらいしてみたいと思います(煩雑なので、この後は「ダイナミックコンテンツ」という呼び名に統一します)。
ダイナミックコンテンツの肝は、ユーザーの属性や行動から「関連性(Relevancy)」のあるコンテンツを提示すること。
参考記事(1)では、ダイナミックコンテンツによる成果が以下のように紹介されています。
また、最適化する際のポイントとして以下の4つが挙げられています。
サイト訪問者が、あなたのサイト上で提供している見込み顧客向け資料をすでにダウンロードしたことがあったり、またはある商品を購入済みだったとします。その場合にはそれを検知する仕組みをつくり、同じものを何度もオファーしないように、ということです。
サイト訪問者は初訪問なのか、購入の検討中なのか、意思決定済みなのか、といったサイト訪問者が顧客に代わるまでのライフサイクルを踏まえてコンテンツやコンバージョン方法を提供せよ、ということです。
BtoB企業は、見込み顧客獲得のためにユーザー登録、ログインさせた後でコンテンツを提供する手法を多く取っています。しかしすでにあなたの顧客になっている訪問者が別の商品やサービスに興味を持ったとき、フォームの顧客情報をまた一から埋めさせるような愚かな方法は取るべきではないでしょう。
商品・サービスの説明コンテンツで使う画像や文章(文調)は、来訪者が属する業界やペルソナによってしっくりくる、理解が容易なものは異なるでしょう。たとえば「働く現場」というイメージも、製造業界の人とヘルスケア業界の人ではピンとくる内容が変わるはず。
最適な見せ方はどんなものかについて、実際に顧客に接する営業チームの意見を聞くなどし、またテストを重ねて改善していくべきです。
また、ダイナミックコンテンツの提供(コンテンツの最適化)をする上で避けるべきことも3つ、参考記事(2)から掲載しておきます。
参考記事(3)では、Kuno Creativeという企業のこんな事例が紹介されています。
今回はダイナミックコンテンツの概念の説明ということで、こんなところで終わりにします。
次回、余裕があれば英語圏にいくつかあるダイナミックコンテンツを管理するためのクラウドサービスについてレビューしてみたいと思っています。
参考: