企業サイトのリニューアルなどの際、古い読み物コンテンツはバッサリ削除されてしまったり、または滅多にアクセスされないような構造の深いところに置かれたりと冷遇されるケースは多いものです。一方で企業は予算をかけて新たなコンテンツをつくりだそうと努めるので、これはもったいない話です。
この記事では、そんな発想を転換して古いコンテンツを"リサイクル"するためのアイディアを紹介したいと思います(英語圏ではこの考え方は"Content Repackaging"(コンテンツ・リパッケージング)と言われることが多いようです)。
(写真は「これでもまだ私の最終形態ではない」と凄む猫(via funnyshare.org)。元ネタはドラゴンボールZの「このフリーザは変身する度にパワーが遥かに増す その変身をあと2回も俺は残している」だとか。コンテンツも何度も形態を変えて活用しましょう!)
ビデオをテキストに書き起こせば、新たな層にアプローチでき、SEO的なメリットもあるコンテンツのできあがり。
書き起こすだけでなく編集をし体裁を整えて電子書籍化を。オフラインで読めたり、図版や動画を埋め込むことで表現力が高まるメリットもありますね。
書籍を元ネタにセミナービデオを作れば、低コストでリード(見込み顧客)を獲得できるツールに早変わりするのでは。
元の記事では、ある記事へのコメントを集めるため、書籍を商品にしてTwitterでハッシュタグを付けて投稿してもらうゲーム形式にしたところ、沢山のコメントが集まった例が紹介されています。このプロセスが"コンテンツ"になるという意味なのでしょう。
記事に対して寄せられたコメント、他のブログでの意見、メディアの反応などを「まとめ」として再度記事にする、というやり方。
ステップメール(複数回の自動配信メール)形式の情報提供で、リードに何度か情報を届けることで顧客化を図るという方法があります。そのためのコンテンツを、白書や電子書籍を元につくる方法です。
次は、コンテンツをつくるための少しメタな方法論について(1.と被る部分もあるので一部のみ紹介)。
ソーシャルメディアなどへの投稿を集めてブログ記事を作成し、次にそれを白書(ホワイトペーパー)形式にまとめ、最後に電子書籍に落とし込むというやり方。ソーシャルメディア投稿をまとめて記事にする方法は、スモールブロック・メソッド(ブロックを積み上げる方法)とも紹介されています。
築き上げとは逆に最初に白書があり、それを紹介するブログ記事を書き、ハイライト部分を細切れにしてソーシャルメディアに投稿するという方法。たとえば単語数1500くらいの白書ならブログ記事3本を書くことができ、それを元にTwitter投稿30個を作ることができる、と説明されています。
コンテンツの元ネタをウェブ以外から引っ張ってくるには、という視点を5つ紹介します。
印刷された営業資料、メディア向け資料、製品カタログ、マニュアルなどはネタ元になりそう。 たとえば代理店向け営業資料に記載された統計やチャートを、オンラインの潜在顧客向けにアレンジしてみたら? と考えてみるなど。
顧客サービス部門に溜まった資産からネタを引き出す方法。サポート担当が利用しているFAQやティップスなどは? またたとえばお菓子メーカーであれば「8割の顧客が、製造中止になったあのお菓子の再販売はないの? とサポートに尋ねてくる」といったデータは恰好の記事ネタになるのではないでしょうか。
顧客からの手紙、メールや電話での意見、直接の声などを集めれば説得力があり、SEO的にも効果がある(潜在顧客が使いそうなキーワードを豊富に含んだ)コンテンツをつくりだすことが可能です。
すでにサイト上にあるコンテンツを見渡して、その中からトレントに合った「まとめ」や「特集」をつくりだす方法。たとえば、心臓病の予防法についての記事が毎年掲載されていたことに気づいたら、それらをまとめて「心臓を鍛える8つの方法」といった記事を書いてみる。この方法はキュレーション(Curation)ともいえますね。
企業はさまざまな市場調査を行うもの。そのデータを「潜在顧客が興味を持ちそうなものはないだろうか?」という発想で見てみましょう。たとえば企業はよくペルソナをつくりますが、「どのペルソナがどんな製品やサービスを利用する傾向があるか」というレポートは、顧客にとっても興味深いトピックになるのでは?
いかがでしたか?
コンテンツのネタに困るというのは普遍的な悩みだと思います。今回紹介した「リサイクル」の視点を身につけておくと、より計画的なコンテンツ制作ができるようになるかもしれません。
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