SEOやソーシャルメディアを流入経路として見込み顧客に見つけてもらい、適切なコンテンツの提供などを通じてよい関係を築いていく「インバウンドマーケティング」、その中でも、提供する内容に着目した「コンテンツマーケティング」は、日本でもここ数年多くの企業や団体が注目していると思います。
まったく新しくはじめる例ばかりでなく、これまでの自社の取り組みをコンテンツマーケティングという枠組みの中で見直し、軌道修正していくという例も多いようです。今回は、そんな取り組みにも役立ちそうなツールを一つ紹介します。
コンテンツマーケティングのノウハウについて書かれたものは膨大にありますが、わかりやすい説明としてsmartinsights.comの "Defining the four pillars of successful content (成功するコンテンツのための4つの柱を定義する)" というページからポイントを紹介します。
この4つのチェックポイントに照らしながら最適なコンテンツを創出せよ、ということです。
次に、今回のツールの紹介です。
「コンテンツの読み手(=潜在顧客)」についてより深く掘り下げていくと、サイトを訪れる目的もさまざま、求めているコンテンツは多様で、また時間によっても変化するはずです。 この「多様性があり、変化もしていく潜在顧客のニーズに応えうるコンテンツは何か」を考えるために役立つフレームワークがあります。著名なSFA(営業支援)サービス"Eloqua"がサイト上で公開している「コンテンツグリッド(The Content Grid v2)」がそれです。(公開は2012年6月ですが、少しも古びていないと思います。)
(The-Content-Grid-v2のフルサイズ版はこちら )
この図では、縦軸・横軸で仕切られた図面上にさまざまなコンテンツの型が並んでいます。ざっと解説します。
これは認知→検討→購入決定へと進んでいくプロセスで、売り手側から見ればセールスファネル(見込み客を本気客に絞り込んでいく流れ)ともいえます。
これはサイトを訪れた見込み顧客がしたいことです。「仕事に飽きた(から何か見たい)」という不謹慎な(?)ものから、「なんとなくソリューションを探している」「ベンダーを調査中」「製品を評価中」「分野を絞り込み中」「企業の信頼調査のため」「購入交渉」...と、下限に行くにつれて徐々に真剣度が上がっていきます。
図面上に並ぶコンテンツの型には、下に小さなドット(丸)が付いていますが、これはTwitter、Facebook、QuoraなどのSNSやソーシャル系サービス、自社ブログ・サイト、YouTubeなどの動画サイトで展開可能である、ということを示しています。
横軸のビジネス上の目標に連動して、KPIが提示されています。 「認知」段階であれば、ページビューやサイト滞在時間、ダウンロード数、被リンク数、ページランク、フォロワー数、ネット上での言及・シェア数などが指標となります。 「検討」段階では、クリックスルー、問い合わせ数、見込み顧客データベースの伸び率、(あらかじめ設定したシナリオに基づく)ファネルのコンバージョンなど。 「購入決定」段階では、リード(見込み度の高い顧客)への昇格、営業パーソンとの商談、契約成立。
以上、ご参考になれば幸いです。(^-^)