MTOS(Movable Type Open Source)公開、Nightly Build版とドキュメントのレビュー

こんにちは!ディレクターの八木です。

MTOS (Movable Type Open Source)が遂に公開されました。

現在はプロダクション版のリリースはまだで、NightlyBuildのアーカイブとSVN リポジトリで公開されており、dakinyさんがいち早くNightly Release版のレビューをしてくれました。

世界中の1%の人々へ ≫ 今日のMTOS:MTOS (Movable Type Open Source) 公開
http://www.dakiny.com/archives/movable-type/movable_type_open_source/

・MTOSには、いくつかの新しいマイナーな改善と、バグフィックスをしたMovableなType 4.0のあらゆる特徴を持ちます。
・すべてのプラグイン、テーマ、テンプレート、デザインとMT4で働くAPIは、MTOSで機能します。
・MTOSは無制限のブログ、無制限のユーザー、およびOpenIDにをサポートした唯一のオープンソースブログツールのうちの1つです。
・Movable Type Open Sourceは、標準的なGPLライセンスの下で配布されます。

私も、少しドキドキしながらNightly Release版をインストールしてみました。
また、前後して、movabletype.orgおよびmovabletype.jp(日本)のドキュメントが大幅に追加・整備されていましたので、それらも含めてざっとレビューしてみます。

■テンプレート編集:使用タグのリファレンスページに自動リンク
右サイドに「ドキュメントリンク」エリアが追加され、
テンプレート内で使用しているタグのリファレンスページへのリンクが並びます。[言語=日本語]ならリンク先はhttp://www.movabletype.jp/documentation/appendices/tags/配下の該当ページでした。リファレンスページを参照しながら編集ができるようになっていて便利です!

なお自分で開発したPlugInの独自タグについても、同じしくみでリファレンスへのリンクを追加できるようです。

Registering Help URLs for Template Tags
http://www.movabletype.org/documentation/mt41/tag-help-urls.html

■ユーザプロフィール画像
ユーザのプロフィール画像を扱えるようになっていました。MT4.0ではUser Profiles PlugIn等追加が必要だった機能が取り込まれた形です。
これらを扱うのには、<MTEntryAuthorUserpicURL>,<MTAuthorUserpic>,<MTEntryAuthorUserpic><MTEntryAuthorUserpicAsset>,同コメントユーザ用などのタグが追加されているようです。

■ブログ横断で利用できるグローバルテンプレート
システムメニューの中に「グローバルテンプレート」というメニューが追加されていました。

標準では[Mail Footer]というテンプレが一つだけ入っていました。
MT4.0 ではあった/templ/email/ フォルダ全体がなくなっているので
/templ/email/footer-email.tmpl の内容等をここから設定できるようです。

movabletype.jp(日本)≫ Movable Type 4.1ベータ
http://www.movabletype.jp/beta/41/
(注)MT4.1 Personal版とMTOSはほぼ同様の機能になる

によれば

 ・管理している全てのブログで共通利用できるグローバルテンプレート機能

とあります。MTをCMSとして使ってサイト全体を構築するようなケースでは、複数ブログを使うことが多いですから、メールフッタ以外にも運用をかなり楽にする機能だと思われます。

詳しい使い方は、

Movable Type Documentation > Designer's Guide ≫ Using Shared Templates
http://www.movabletype.org/documentation/designer/shared-templates.html

に書いてあり、

 ・<mt:include>でインクルードして使え、
 ・例えば、100ブログを越えるサイトの検索ボックスでもグローバルテンプレート1つで済む

とのことです。


■テンプレートセット
コミュニティブログ、フォーラム、標準のブログなどあらかじめカスタマイズしたテンプレートを用意しておき、ブログ新規作成時にどのテンプレートセットを使うか選択できるようになります。たくさんのユーザがそれぞれブログを持つような場合に、簡単にブログの複製できそうです。また、制作サイドにとっても開発工程のフレームワーク化に活用できるのではないかと思います。

※テンプレートセットが一つしかない間はセット選択のプルダウンメニューは表示されません。

テンプレートセットの使い方イメージはここに、

About Template Sets
http://www.movabletype.org/documentation/designer/template-sets.html

テンプレートセットの作り方はここにありました。

Movable Type Documentation > Movable Type 4.1 ≫ Registering Template Sets
http://www.movabletype.org/documentation/mt41/register-template-sets.html

■変数値のセットや繰り返し制御のタグの追加
<MTSetVars>:[変数名 = 変数値]のセットをまとめて設定できるタグです。

<MTSetVars>
banner_link=http://example.com/
banner_name=advertisement_a
banner_width=728
banner_height=90
</MTSetVars>

他にも<MTIncludeBlock>(テンプレートモジュールで利用する内容を指定して読み込みができるらしい)とか<MTFor>(forループ)など、テンプレートモジュールをかなり効率的に組めそうなタグが並んでいました。


■カスタムフィールド
MTOSから少し離れるかもしれませんが、前述の 「Movable Type 4.1ベータ」ページでは

 ・ブログ記事などの入力フィールドを拡張する、カスタムフィールド機能

とあり、CMSツールとしてのMTには不可欠な機能として本格的に取り込まれるようです。おそらくライセンスの関係で4.1 Professional Packが対象(MTOSには含まれない)と思います。


最後になりましたが、お砂場Wikiの方に、今後の動向をウォッチする上で要チェックなサイトやドキュメントへのリンクをまとめてみました。ご活用いただければ幸いです。

MTOS(Movable Type Open Source)の要チェックサイトまとめ
https://www.ark-web.jp/sandbox/marketing/wiki/270.html