アクセス数(悪貨)がコンバージョン率への注目(良貨)を駆逐していませんか?

山岸です。

「グレシャムの法則」というものがあります。「悪貨は良貨を駆逐する」といった方がわかりやすいでしょうか。

1560年、イギリス国王財政顧問トマス・グレシャムがエリザベス女王に“悪貨が流通すると、良貨は保管されたり悪貨に作り変えられたりして、次第に良貨は駆逐され、経済に混乱をきたす”として、悪貨の流通を除去するように進言したことに由来するようです。

ハーバート・A・サイモン( Wikipedia - ハーバート・サイモン)は経営の意思決定にこの法則を取り入れることを勧めています。
日常の業務(悪貨)が、自社の経営計画などの最重要課題(良貨)を駆逐する、と提言しているのです。

グレシャムの法則は、前述のように本来は経済学における法則で、貨幣の額面価値と実質価値に差が生じた場合に起きる現象を捉えたものですが、現代ではこのように、他の分野でも使われています。

例えば、

- ルーティンワーク(悪貨)が、重要な業務(良貨)を駆逐する
- 安定した業績(悪貨)が、潜んでいる問題(良貨)を駆逐する
- 既存事業(悪貨)が、新規事業(良貨)を駆逐する
- 良い情報(悪貨)が、悪い情報(良貨)を駆逐する

などのように、一般的に悪い物が入ると良い物が駆逐される意味において利用されますね。仕事やプレイベートでも、さまざま状況で利用できると思います。

Webサイトの運営管理にも当てはめられるでしょう。

例えば、

Google AdWords(アドワーズ)を出している効果でアクセス数がかなり多いが(悪貨)、実際にはアクセス数に比べコンバージョン率が異常に少ない(良貨)Webサイト

といったケースは実際にありそうですね。

アクセスを集めることは重要なことです。
ただ、企業のWebサイト本来の目的は、問い合わせや資料請求など、その後のユーザのアクションにあるはずです。それが、アクセスを集めることで満足してしまうのではもったいないですよね。
せっかく費用をかけてアクセスを集めても、ほとんどのユーザが10秒もしないうちに離脱してしまっては、お金の垂れ流しになってしまいます。(ユーザが離脱するしないの判断は凡そ8秒程度と言われています)

これには原因があり、ひとつの大きな原因としては、ランディングページ(ユーザが広告や検索結果をクリックして最初に訪れるページ)が機能していないのでしょう。
ユーザにしてみれば「アクセスしたにも関わらず、目当ての情報が見つからない」「資料請求などの次のアクションができない」となれば、他社のWebサイトに移ってしまうのは当然ではないでしょうか。
このような問題をチェックし、ランディングページを改善することを、LPO(Landing Page Optimization:ランディングページの最適化)と言います。

貴社のサイトはどうでしょうか。
このような状況に陥っていないか、改めて見直してみてはいかがでしょう。
もし心当たりがあるようであれば、アクセスログを元にご契約のWeb制作会社さんなどに相談してみてください。

ちょっとした改善で、ユーザの離脱率が減少し、コンバージョン率が上がるかもしれませんよ。