山岸です。
ハーバート・A・サイモン( Wikipedia - ハーバート・サイモン )は、経営で最も重要なことは「意思決定」であるとし、問題解決のための意思決定について4つの段階を示しました。
1) 情報活動(intelligence activity)→ 問題の発掘、発見の過程
2) 設計活動(design activity)→ 実現可能な代替案の設計
3) 選択活動(choice activity)→ 代替案の選択
4) 検討活動(review activity)→ 選択案の結果を検討
「情報活動」とは、問題を探り当てる過程で、「発見」と「発掘」に分かれます。発見は製品やサービスへのクレームなど顕在化した問題についてです。発掘は潜在的、表面にあらわれにくい問題を明らかにします。
「設計活動」では、明らかになった問題に対して対策案を考えます。一つでは選択の余地がありませんので、代替案は複数案必要です。
「選択活動」は、各案からある程度の結果を予測し、最もよいものを選択する過程です。評価基準を設け、それに従って取捨選択を行います。
「検討活動」は、選択案の実施結果を検討し、次の意思決定にフィードバックします。
この「意思決定」を、Webサイトの運営管理に当てはめるとどのような感じになるでしょうか。
「情報活動」は、差し詰めアクセスログ解析による情報収集などが挙げられるでしょう。
訪問者の検索キーワード、入口ページ、離脱率の高いページ(そのページだけ見てそのまま出て行ってしまったページ)など、Webサイトの現在の状況を確認する上で重要な情報は多数あります。
次の「設計活動」はどうなるでしょう。
アクセスログ解析により、必要だと判断できる施策案がいくつか出てくると思います。
SEO対策であったり、入口ページの改善による離脱率の抑制、ユーザー導線の再設計、もしくは何らかのプロモーション試作かもしれません。
重要なことは、現状を分析し仮説を立て、必要な施策を行い、しっかりとフィードバックを得ることです。
マーケティング用語で、PDCAサイクル( Wikipedia - PDCAサイクル )という言葉がありますが、それと考え方は同じですよね。当たり前のことなのですが、なかなか実践できているサイトは少ないのではないでしょうか。
Webサイトの運営に、必ずしもWebコンサルティングなどのプロが必要という訳ではありません。Webマスター向けのサイトやメルマガ、書籍なども多数出ていますので、そういった所から情報収集し、独自に改善を計ることも可能です。手を加え続けることにより、一層Webサイトは力を発揮してくれると思います。
会社経営もWebサイト運営も、終わりはないということですね。