2006年 最もイケそうなWeb 2.0サービス("The Most Promising Web 2.0 Software of 2006") 前編

ディレクターの安藤です。

前回のエントリから大分時間が経ってしまいましたが、昨年末の「2005年でもっともイケてたWeb 2.0サービス ベスト10」はかなりの反響をいただき、ありがとうございました。

世の中に「Web 2.0」の解釈を含めたニュースがあふれる中、最新のアプリ事情、特に日本語で書かれたレビューは少ないのだな、と感じました。私はWeb 2.0についてそれほど多くを語れる人間ではありませんが、今後も定期的にレビューをしていきたいと思います。

さて、なかばWeb 2.0サービス事情のポータルサイトと化している感のあるDion Hinchcliffeのブログに、"The Most Promising Web 2.0 Software of 2006"という記事がポストされました。

- The Best Web 2.0 Software of 2005
- More Great Web 2.0 Software

では自身の調査だけでなく、読者からの投稿によって多くの有益なWeb 2.0サービスの情報が蓄積されましたが(これぞ2.0!)、あれから更に多くのキレたWeb 2.0サービスが世に出はじめたようです。

以下、エントリ内に紹介されたWebサービスを使用した印象を含めてレビューします。

Personal Productivity and Organization(個人の生産性向上関連に関するWebサービス)

ZOHO PLANNER

うーん確かにすごい。To Doを管理できるソフトなのですが、フロント部分にAjaxをに使用しており、どんなギミックが使われているのか、調べるだけ、いじってみるだけでも楽しい。
日本でも百式さんがCheckPadをβ運用していますが、正直使い心地はこちらが上だと思います。
To Doに挙げられたタスクは他人に公開もできReminderも装備、Tag付けも行えます。


StikiPad

オンラインで、Wikiを立ち上げることのできるサービス。登録して、名前を決めるだけではじめられます。社内で使用しているPukiwikiと文法が違うのでちょっと戸惑いますが、この手軽さは素晴らしい。

これが私が作成したWikiです。

http://threepennie.stikipad.com/wiki/

無料でも使用できますが、作成できるWikiの数とページ数に制限があり、最低4.99ドルの月額費用を払うことで無制限。パワーユーザーやチーム利用のためのプランも用意されています。


30Boxes.com

他人とスケジュールを共有できるオンラインカレンダーです。
最近の更新履歴の検索などにAjaxが使われており、軽快に使うことができます。

Near-Time.com


カレンダーを含め、グループウェアとしてパッケージ化したソフトです。Wiki文法が使えますが、Wikiほどの可塑性はなく、使用する形がカッチリ決められています。かといって使いにくいわけではなく、メンバー同士のブログや、共有カレンダー、ファイルやページへのTaggingなど必要な機能は揃っており、かえって使いやすいかもしれません。日本語が通らないのが残念です。

Search(検索関連)

Google Desktop Search 3.0


英語圏ではGoogleDesktopがバージョンアップしてます。今回の目玉は、検索対象ファイルの拡大(Netscape、Mozilla、Firefoxの履歴、pdf、マルチメディアファイルが新たに追加)、自身のローカルHDDにある内容のインデックスがGoogle側のサーバーにもコピーされることで、どこからでも自身の検索内容を調べることができるという点などです。自宅にあるPCの内容を、会社から確認することができたりするわけです。
非常に便利ではありますが、逆にプライバシーをどのように守るのか、テクノロジーだけではなく、人間サイドのマナーや意識も重要になってきますね。


Gravee.com

検索結果にTag付けを行い、独自のランキングを行います。
前回レビューしたRollyoと似ていますが、Graveeは複数の検索エンジンにクエリを投げ、その検索結果を独自の計算式で評価したランキングを表示し、さらにユーザーによる○×評価を加えることでGraveeScoreというものを付けているようです。
また、Web/Blog/Tagsという3つの検索範囲を指定して検索することができます。

さらには、ユーザー自身にマイページを作らせることでソーシャルブックマークとしての機能も果たし(それがTag検索のためのソーシャルデータベースとなるわけですね)、さらにコンテンツオーナーに対しては、アドセンス広告による報酬支払いが用意されている、とWin-Win-Winのビジョンまで明確に示しています。
Rollyoもスゴいですが、こちらもスゴいと思いました。


Video Storage, Sharing, and Search(映像の保存、共有、検索関連)

みんな大好きYouTube。早々と決着が付いたかと思われる映像共有関連ですが、また新たなプレーヤーが参入です。


Stickam


STICKAM playerというマルチプラットフォームのプレイヤーを使用して、ありとあらゆるフォーマットの映像を多様なプラットフォームで見せることができるようになっています。
Flickrのようにレーティングなどもできます。至れり尽くせりなのですが、ここまで機能豊富だとだとかえって普及しない感じがするのは私だけでしょうか。
携帯電話からのムービーを手軽に取り込めるようにしている点は非常に大きいメリットだと思います。

この試みは、日本ではKAYACさんなどが既にMOVIZOでやっていますね。



FireAnt

こちらも、専用のプレイヤーを使用することで様々なフォーマットの映像が見られるようです。
ただしこちらはWebアプリではなく、ローカルPC上で動くアプリケーションで、FireAnt.tvから「チャンネル」と呼ばれるジャンル情報やランキング情報などを取得します。
キーワードを登録しておくと、そのキーワードでTag付けされた映像が投稿されると知らせてくれるようです。
しかし、どうやって優良なコンテンツが集まるのかは不明です。


後半は、次回に持ち越します。