ディレクターの安藤です。
AdAge.comから、米国Fordの広告予算についての記事を紹介します。
Fordは年間広告予算10億ドル超のうち、30%をターゲットメディアに、オンラインに15%を使うと発表した。去年の20%の予算枠からの大幅な上昇、また5年前の予算と較べると3倍以上となる。
ここでのターゲットメディアとはダイレクトメール、VOD、携帯、CRM(カスタマーリレーションシップマーケティング)、オンラインなどを指す。
単純計算で3億のターゲットメディア予算、1億5千万のオンライン広告予算ということになります。
ダイナミックなキャンペーン展開がが容易に想像できますから、今後のFordの広告に注目する必要がありますね。
FordVehicles.comを見ると、PriceQuoteや競合比較、支払い計算、ディーラー検索、金利優遇の案内、もはやマイノリティとは呼べないヒスパニック層を意識したスペイン語対応など、非常に充実したコンテンツを備えていて、完成度は高いと思います。
これだけの下準備があればこそ、1億5千万のオンライン広告予算も生きてくるのでしょう。
また、Web制作、およびWebプロモーションの側から見れば、単純にオンライン広告予算の上昇傾向を喜ぶだけでなく、誘導してきた顧客を満足させるしっかりとした受け皿を考える必要がありますね。
今年の「世界の企業ブランド価値番付」において、SONYが韓国サムソンに追い抜かれましたが、米国の自動車業界は、10年以上前に日本車メーカーに同じことをされているわけです。このFordの戦略には、単に価格・品質という土俵だけで勝負しない企業の生存方法論も見いだすことができると思います。
余談ですが、ブランド価値という点ではGeneralElectric社のGeoTerraも素晴らしいコンテンツです。
GEの環境に対する取り組みと製品の優秀さを伝えるFlashコンテンツですが、LOHASを意識したサイトコンセプトと、社会ニーズを反映したコンテンツが高い完成度で融合しています。
広告予算の一部を使ってのコンテンツ制作だと思いますが、ユーザーにとっての敷居を下げ、企業姿勢を効果的に認知してもらうという企業PRは、今後日本でも追従していく企業が増えていくのではないでしょうか。