ビジネスブログにも「トラックバックポリシー」を

ディレクターの遠藤です。
多くの企業が、自社サイトでブログを運営するようになってきました。既に会社でビジネスブログを運営している方、「これからわが社もビジネスブログを導入しよう」とお考えの方もいらっしゃるかと思います。

さて、このブログの特徴のひとつに「トラックバック機能」がありますが、アクセス数獲得狙いのトラックバック、いわゆる「トラックバックスパム」(※1)と呼ばれるものが増えて、ブログ運営者たちのイライラの元となっているようです。

※1…「トラックバックスパム」
 情報を効果的に連携させるためのトラックバックを、個人や業者が
 自分のサイトを宣伝するために使うこと。記事の関連性を無視して
 機械的に多くのサイトに打ち、リンク数の増加、SEOなどの広告
 効果を狙うことが多いようです。

明らかなスパム業者によるトラックバックの場合、運営者には手間となりますが、コツコツ削除するという方法があります。MovableTypeなどですと、スパム除けのプラグインもあります。
やっかいなのは、スパムかどうかの判断に迷うトラックバックがあった場合。そういうトラックバックを削除することで、正しいトラックバックまで躊躇させてしまうこともあるでしょう。

こうした問題に対する解決策として、近頃話題となっているのがこちらの記事。「トラックバック・ポリシー」の策定を勧め、その文案を具体的に提示しています。

トラックバック・ポリシーを作ろう。ルールやマナーに悩む人のための作成ガイド
http://kotonoha.main.jp/2005/05/24making-trackback-policy.html

このような「トラックバック・ポリシー」を、企業のビジネスブログに導入していた場合と、導入していなかった場合で、トラックバックスパムに見舞われたときの状況はどれだけ違ってくるのでしょうか。

ビジネスブログは、企業などがビジネスのために運用するもの。業界の動向について新鮮な情報を提供する、新商品を紹介する、経営者やスタッフの人間性をアピールする、といったPR活動に使われることが多いかと思います。
企業のブログですから信用が第一ですが、そんなビジネスブログに、自分のサイトを宣伝することが目的とおぼしきトラックバックがあったとしたら、担当者は慎重な判断が必要でしょう。

黙って削除しては「身勝手な企業だ」と感じる人もいるかもしれない。かといってそのまま放置しても「このブログはスパムを野放しだ」と思われて評判を落とす。そんな風にして判断に迷い、対処に時間がかかれば、それだけ時間が無駄になるだけでなく、企業の信用を落とすことにもなりかねません。

ここで、「トラックバック・ポリシー」を策定しておくとどうでしょう。
削除対象となるトラックバックの判断基準や、その他の対処についても明示してあれば、いざトラックバックスパムがやってきた時にはポリシーと照らし合わせて即座に対処を決定することができます。
他のブログの運営者も、自分の記事からトラックバックするかどうか決めやすくなりますし、閲覧者にも好印象を与えることができるかもしれません。

企業にとって、ブログのビジネス活用はまだ端緒についたばかり。
日々の運営にはいろいろ試行錯誤があるはずですが、トラックバックというブログの優れた点を活かしたい企業にとっては、「トラックバック・ポリシー」の策定が、ひとつの有効なスパム予防接種として考えられるのではないでしょうか。

アークウェブでも、これから自社ブログに掲載するトラックバック・ポリシーをひねってみたいと思います。