中野です。
Blog(いわゆる「ビジネスブログ」)の熱狂が覚めやらぬうちに、次はRSSにPodcastingと、早くも新技術のビジネス活用の可能性があれこれ取り沙汰されはじめています。日本でも、「社長ブログの次には社長Podcasting(ポッドキャスティング)ブームが来る」なんて観測も出てきていますが、個人的にはちょっと懐疑的です。
ぼく自身の主張は措くとして、有名起業家にして「パーミッションマーケティング」「バイラルマーケティング」など優れたマーケティングの著作も多いSeth Gordin(セス・ゴーディン)が、自身のブログでPodcastについて語っているので、読みどころを拾ってみます。
Seth's Blog: Thinking about podcasting
http://sethgodin.typepad.com/seths_blog/2005/05/thinking_about_.html
彼自身は「Podcastを、それほど早く始めるつもりはない」と前置きした上で、ブログは試し読みが簡単で、そのことで容易に読者を増やすことができるが、Podcastは試すのに時間がかかり聴取者を増やすのは難しいこと、ひとつのPodcastを傾聴する時間にブログなら300もブラウズできること、などと定期的なリスナーを増やす難しさを指摘しています。
制作にかかるコストなども含め、ともかくマーケティングやコミュニケーション手段として見た場合の効率の悪さ、という点を強調していますね。
Seth's Blog: Two more thoughts about podcasting
http://sethgodin.typepad.com/seths_blog/2005/05/two_more_though.html
続いてのこのポストでは、Podcastの行く末を「(超人気ブログの)boingboingのようになれるPodcastはわずか」だとして、
So, I guess I see a much steeper pyramid for podcasts than I do for blogs.
Podcastの勢力構造は、ブログのそれよりずっと傾斜のきついピラミッド型になるだろう
その位置を占めたいのなら、今すぐPodcastを始めろ、とも付け加えていますけどね。