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Adobe Apollo:いよいよオンラインとデスクトップが本格的につながるかも?

2007年3月 6日

Adobe Apollo:いよいよオンラインとデスクトップが本格的につながるかも?

投稿者 竹村

SEの竹村です。

Adobe Apolloについての話題が徐々に増えてきたので、注目する企業も少しずつ多くなってきていることと思います。

先日のDevelopers Summitや、Adobe Engageというイベントでも Apolloアプリケーションのデモンストレーションが行われてきたようです。

▼Developers Summit 2007
http://www.seshop.com/event/dev/2007/

▼Apolloベストデモ
http://jp.techcrunch.com/archives/best-apollo-demos/


さて、Adobe Apolloとはどのようなものか、という説明は昨年10月に行われた Adobe MAX 2006 というイベントのレポートを見るとお分かりになると思います。

▼Leveraging HTML/JavaScript and AJAX in Apollo Applications (Adobe MAX 2006 フラッシュレポート)
http://www.adobe.com/jp/events/max/report/page11.html

デスクトップアプリにHTMLやFlash, Ajaxの技術を利用したコンテンツを作って、ローカルで作業した内容をオンラインと同期できる、といったところですね。

また、本家 Apollo FAQ を日本語訳された記事が下記にあります。

▼ants Lab. | Flash | Apollo FAQ 日本語訳
http://labs.anthill.jp/2007/01/apollo_faq.html

どのような配布形式で、どのような制作方法があるのかがよくわかります。


今注目されているAdobe Apolloの利用例を交えつつ、今後どんなことができるかを考えてみましたので、一緒に未来を想像してみてください。

まずは、既存のRIAアプリケーションがApolloによってデスクトップで動作するようになると
どのように変わるでしょうか。

■利用例その1. 航空券予約システム、ホテル宿泊予約システム

ANA/JALのサイトを見れば、行き先設定や日程についてRIAでキレイに実装されていますが、これは一旦デスクトップに落とせば、オフラインでもその操作は可能です。

▼ANAインターネット国内線予約サービス
https://aswbe1-d.ana.co.jp/rsvp/dyc/oneScreenStart.do?rand=20070221211707

▼JAL 国内線予約
https://www.jal.co.jp/5971/flashrsv/

オフラインで予約する日時・人数・区間・利用プランを入力して仮予約をした後に、オンラインになった時にサーバと通信し、結果を利用者へメールすることができるでしょう。


また、同じようにホテルの宿泊予約も実装可能ですね。例えば下記のようなサイトです。

▼Broadmoor Hotel
http://reservations.ihotelier.com/onescreen.cfm?hotelID=2054

▼JTB online かんたん旅館・ホテル検索&予約β
http://www.jtbonline.jp/dom_yado/

航空券と同じように、オフラインで予約する日時・滞在期間・人数・追加利用プランなどを入力でき、オンラインになった時にサーバと通信し、結果を利用者へメールできます。
もし、希望していた部屋が満席で予約ができないような場合は、ローカルの予約データを更新して、別の候補を選ばせることができる状態にし、その旨を利用者にメールするなどして通知すればよいわけです。利用者は再度別の予約を行うことができます。

▼Apolloを利用した場合の予約システムシーケンスイメージ (クリックで拡大)


そうすると、サーバ側の役割は『予約データのマッチング』と、『予約状況の更新』だけ行えば済むので通信負荷も減らせる効果があります


上記のシステムでは、1つのApolloアプリケーションを動作させることによる利益しかありませんが、
Apolloでは他のApolloアプリケーションとの連携も可能であるとFAQには記されています。
次は、複数のアプリケーションを連携する場合の利用例を考えました。


■利用例その2. 旅行プラン作成システム

旅行プランナーアプリの提供を想定してみます。
これは、旅行のプランを作りながら、乗車券や宿泊施設の予約ができるという内容のアプリケーションです。

基本的には旅行のプランを作るので、Google Calendarのようなカレンダーの画面が表示されるイメージです。カレンダー上で出発予定日時をクリックすると、電車の路線検索システムのような形で出発地と目的地を入力して、検索し
気に入った検索結果をクリックすれば、Calendarに予定が入るようなものを想定します。

※ここで、電車の路線検索部分はローカルアプリケーションとして提供できればオフラインの間にスケジュール作成がサクサク行えるのですが、Apollo 1.0ではデータベースとの連携は行えないらしいので、ちょっと難しいかもしれません。

さて、上記路線検索の行き先に乗車券が必要だったとしましょう。
乗車券予約アプリというのを別途作成して、このアプリケーション上で予約できるようになっているとします。
ここで、旅行プランナーアプリから、乗車券予約アプリを呼び出して、必要なデータ(出発地と目的地)をパラメータとして渡して乗車券を予約するという遷移が考えられると思います。

※連携先アプリにパラメータを送る方法は、Inter-Application Communication (IAC) というプロトコルを利用するらしいですが、今のところ詳細はわかりませんでした。

あと、旅行プランナーアプリに求められる機能は、宿泊予約でしょう。
これらの予約システムも同様に別アプリを作って、そちらで対応することができます。

このとき、最終の旅先目的地は既に入力されているのですから、目的地付近のホテル/旅館情報を広告として表示させることが可能になると思います。この広告経由で宿泊予約システムから予約をすると、予約確認をしにサーバと接続する際に、広告料金が徴収されるという仕組みが可能になるでしょう。

▼旅行プランナーアプリケーションと、それにつながる周辺アプリケーションのイメージ (クリックで拡大)


Apolloでは、デスクトップのローカルファイルシステムとの連携も可能です。
ただ、セキュリティ的にどの範囲までローカルファイルシステムと連携できるのかは、不明です。
恐らくローカルファイルのドラッグ&ドロップくらいは可能であろうと予想し、下記のような利用例を考えました。


■利用例その3. 写真アップロードツール

みなさんはオンライン写真アルバムサービスを利用されたことがありますか?
その最も有名なところで、Flickrがあります。

Flickrの写真をアップロードする時、Webからファイルをアップロードする他に、デスクトップ用ツールを使ってアップロードする方法もあります。

▼Flickr: Tools to upload and share your photos
http://flickr.com/tools/

このツールは、デスクトップの写真をドラッグ&ドロップでアップロードでき、写真全体に付けるタグや、
Setsのタイトル/説明文が設定可能です。

しかし、一番良いのはデスクトップでもWebと同じインターフェイスでファイルをアップロードできる方法ではないでしょうか? 写真に対してコメントやタグの入力ができ、写真の簡単な加工もでき、Setsの設定ができるようになっていたらどうでしょうか。ローカルでアップロードするデータ一式の準備が完了した時点で、サーバに情報を送るようにすれば便利でしょう。

また、ローカルであればFlickr.comがメンテナンス中でも、写真のコメントや Sets を編集することができるという利点もありますね。


いかがでしたでしょうか?
Apolloの登場で、今後はWebのオンライン/オフラインの敷居が徐々に無くなっていくかもしれません。

Apolloは、今年中にはリリースされるようです。
来年の今頃には、上記のようなApolloアプリが実現されてくるでしょうか。大いに期待しています。

投稿者 竹村 : 2007年3月 6日 09:21

カテゴリー: RIA (システム開発)

タグ: Adobe , Adobe Apollo , Apollo , RIA


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